お客様の課題
- 約200の社内システム群からクラウド移行対象を選定し、オンプレミスから AWS と Google Cloud への移行を進めており、移行後は全社的なクラウド活用を推進したいと考えていた。
- CCoE(Cloud Center of Excellence)の立ち上げや運用に関するノウハウ・知見が社内に不足していた。
- マルチクラウド環境を全社で利用するための基本方針や共通ルールが未整備だった。
- クラウド基盤は構築済みだったが、情報システム部門以外の事業部門を巻き込んだ横断的な推進体制ができていなかった。
対応と結果
- CCoE の活動を5つのドメイン(アーキテクチャ、FinOps、イネーブルメント、ガバナンス、セキュリティ)に分解し、各分科会への伴走支援を通じて CCoE 組織の立ち上げを実現。
- マルチクラウドに対応した共通ガイドラインや認定クラウド選定基準を策定し、全社横断のガバナンス体制を整備。
- セキュリティチェックシートの作成やサンドボックス環境の払い出しプロセスを策定し、セキュリティと利便性を両立する仕組みを構築。
- クラウドコストの可視化と最適化に向けた運用サイクルの検討およびナレッジ提供により、FinOps の推進を支援。
株式会社TBSテレビ様は、約200の社内システム群からクラウド移行対象を選定し、オンプレミスで稼働していたシステムのクラウド移行を進めており、移行後の全社的なクラウド活用を見据えて CCoE(Cloud Center of Excellence)の立ち上げに取り組まれました。
KDDIアイレットは、アーキテクチャ、FinOps、イネーブルメント、ガバナンス、セキュリティの5つの分科会に参画し、CCoE 組織の立ち上げから運用開始までの伴走支援を担当いたしました。
選定したシステム群のクラウド化を推進。その先を見据え、全社横断でクラウドを推進する組織づくりへ
株式会社TBSテレビ様(以下、TBSテレビ様)は、民間放送局として、また総合メディア企業として幅広い事業を展開されています。同社では、オンプレミスで稼働していたシステムを AWS と Google Cloud へ移行するプロジェクトを推進。クラウド基盤の構築やガイドラインの整備を進めながら、クラウド利用を推進してきました。
オンプレミスの仮想基盤環境からマルチクラウド環境への移行に関する事例はこちら
クラウド基盤の整備後、全社的にクラウド活用を推進していくためには、インフラ部門だけでなく開発部門や各事業部門を含めた横断的な組織が必要になります。各部門がそれぞれの判断でクラウドを利用すると、セキュリティやコスト管理、アーキテクチャの標準化といった全社的なガバナンスが効かなくなるためです。そこで TBSテレビ様は、クラウド活用の方針策定や統制を担う CCoE の立ち上げを決定。しかし、CCoE の設計・運営に関するノウハウが社内に不足していたことから、KDDIアイレットに支援を依頼されました。
KDDIアイレットは技術パートナーとして、CCoE の業務領域を「アーキテクチャ」「FinOps」「イネーブルメント」「ガバナンス」「セキュリティ」の5つのドメインに分解し、各ドメインで取り組むべきテーマの定義とロードマップの策定を支援。3名体制で週2回常駐し、各分科会の週次定例への参加や日常的なコミュニケーションを通じて、約6か月間にわたる伴走支援を実施しました。
5つの分科会で CCoE の骨格を形成。アーキテクチャからコスト最適化(FinOps)、人材育成まで。自走できる体制づくりを支援
本プロジェクトでは、TBSテレビ様が主体となって CCoE を運営・拡大していける体制づくりを重視しました。KDDIアイレットが答えを出して作業を代行するのではなく、ファシリテーションやドキュメント化の支援に徹し、TBSテレビ様ご自身が納得して方針を決定できるプロセスを支えています。
統制・設計・コスト・セキュリティ・イネーブルメント、各領域の専門知見を束ねて横断組織の立ち上げへ
ガバナンス分科会では、全社で安全かつ一貫したクラウド利用を行なうための共通ルールを確立する目的で、CCoE のミッション・ビジョン・バリューの定義や、全社横断で適用するクラウド利用の基本方針・共通ルールの策定を支援しました。CCoE が認定するクラウドの選定基準書やドキュメントマップの作成も行ない、マルチクラウド環境における統制の枠組みを整備しています。CCoE は特定のクラウドプラットフォームに依存しない上位概念として位置づけられており、AWS や Google Cloud といった個別のクラウドに即したルールは、共通方針の下でクラウドごとにチューニングする設計となっています。
イネーブルメント分科会では、現場でクラウドを活用できる人材の育成や開発スピードとセキュリティ統制を両立させることを目的に、業務部門が安全にクラウドを試せるサンドボックス環境の払い出しプロセス策定とドキュメント作成を支援。あわせて、利用ルールや制約事項の整理、社内のナレッジ管理方針の整備にも取り組み、クラウド活用の知見を組織内で蓄積・共有できる環境を整備しました。
FinOps 分科会では、クラウドコストの可視化と最適化に向けた運用サイクルの検討およびナレッジの提供を実施。共通クラウド基盤におけるコンピュートリソースやデータベース、ストレージの最適化方針を策定し、それを他の利用アカウント群へ展開していくロードマップを立案しました。また、マルチクラウド利用に伴う、意図しない予算超過を未然に防ぐ目的で、ベストプラクティスの啓蒙や、CCoE の成果を経営層へ説明するための KPI 設計も支援しています。
この他、セキュリティ分科会ではセキュリティチェックシートの作成などを、アーキテクチャ分科会ではクラウド環境のデザインパターン作成やサンドボックス環境の実装計画など、技術面からの支援を実施しました。
セキュリティ分科会では、DevSecOpsの実現を目的とし、初期重点テーマとしてクラウドにおけるセキュリティ基本方針の策定を実施。クラウドセキュリティにおける体制・役割・責任の明文化をし、ドメイン別セキュリティ標準を策定。また策定したセキュリティ標準を満たしているかを確認するため、セキュリティチェックシートを作成しました。
アーキテクチャ分科会では、堅牢かつ高可用なアーキテクチャの提案を目的とし、初期重点テーマとしてクラウド別のデザインパターンを準備しました。併せて、要件に応じてサービス選定が可能となるよう、サービス選定ガイドを作成しました。またクラウドネイティブな構成となるよう、各システム/プロジェクトにおける設計支援も実施しました。
CCoE の立ち上げ後は、支援なしでも自走する組織を目指して
これらの取り組みを経て、分科会ごとに目標や評価指標、マイルストーンを定めながら活動を進め、TBSテレビ様社内で CCoE の立ち上げが宣言されました。現在は運用フェーズへ移行し、構築した体制を基盤として、全社的なクラウド利用の拡大や社内への啓蒙活動が推進されています。KDDIアイレットも引き続き、CCoE 活動の自走に向けた支援を継続しています。
CCoE の構築は、クラウド環境の構築・移行にとどまらず、ガバナンス・セキュリティ・コスト最適化・人材育成までを含めた全社的な組織づくりです。KDDIアイレットでは、クラウド基盤の構築から CCoE の立ち上げ・運用定着まで、一貫した支援を提供しています。全社的なクラウド活用の推進や CCoE の立ち上げを検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
Credit
クライアント株式会社TBSテレビ