機密データを国内データセンター内で完結処理!セキュアな情報を扱う AI 画像解析基盤を Gemini on GDC へ移行

KDDI株式会社

https://www.kddi.com/

システム開発

KDDI株式会社

課題

  • 小売店舗の従業員視点で日常業務を自動的に記録・分析する「業務可視化 AI グラス」において、収集した現場の画像データが、インターネット経由で外部クラウドへ送信される構成となっており、機密情報の漏洩リスクが懸念されていた。
  • 画像に含まれる人物の写り込みや業務手順などの情報について、法務・セキュリティ上の対策が求められていた。
  • 法務・セキュリティ要件およびデータ主権(データソブリンティ)の観点から、機密データを国内データセンターの管理下で処理する必要があった。
矢印

対応と結果

  • 画像解析の接続先を 「大阪堺データセンター」内の Gemini on GDC へ移行し、機密データを国内で完結して処理できるセキュアな構成を実現。
  • VPN による閉域網での通信経路を構築し、セキュリティを考慮した認証・アクセス制御を実装。
  • API 形式を Chat Completions API へ変更し、接続先の設定変更のみで AI モデルを切り替え可能な設計を実現。

KDDI株式会社は、小売店舗の従業員視点で日常業務を自動的に記録・分析し、現場の業務効率化や作業時間の最適化に活用できるウェアラブルデバイス「業務可視化 AI グラス」の研究・開発を進めています。

本プロジェクトにおいて、KDDIアイレットは、業務画像の AI 解析機能を閉域網環境へ移行するためのアプリケーション改修および Gemini on Google Distributed Cloud(GDC)への接続環境構築を担当いたしました。

店舗業務を可視化するウェアラブルデバイス「業務可視化 AI グラス」。画像データに含まれる機密情報の処理基盤が課題に

KDDI株式会社(以下、KDDI 社)が開発する「業務可視化 AI グラス」は、小売店の従業員視点で日常業務を自動的に記録・分析するウェアラブルデバイスです。店舗での業務内容の可視化や作業時間の分析、新人教育やオペレーション改善への活用が想定されており、現在は研究・開発段階として実証が進められています。

※KDDI 社発表ニュースリリース:AIグラスを活用した業務効率化実証をローソン店舗で開始

業務画像の分析には Google の生成 AI「Gemini」を利用していましたが、画像データがインターネット経由で外部クラウドへ送信される構成でした。店舗内で撮影される画像には、人物の写り込みや業務手順といった機密性の高い情報が含まれます。実運用を見据えると、法務・セキュリティ要件やデータ主権(データソブリンティ)の観点から、機密データを国内のデータセンター内で処理・完結できる構成への移行が必要でした。

大阪堺データセンター内の Gemini on GDC へ移行し、完全閉域の AI 解析環境を構築。将来の AI モデル切り替えにも柔軟に対応

今回のプロジェクトで、KDDIアイレットは業務可視化 AI グラスの画像解析機能について、従来のインターネット経由の Gemini から、KDDI 社が2026年1月に開所した「大阪堺データセンター」内で稼働する「Gemini on GDC」への移行を実施。機密データの取り扱いに関する法務・セキュリティ要件およびデータ主権要件を踏まえた構成へ変更しました。KDDI 社は大阪堺データセンターを活用した Gemini on GDC のトライアル提供を開始しており、本プロジェクトはその活用事例の1つに位置づけられます。

システムでは、AI グラスで撮影された業務画像が、同一ネットワーク上の PC で稼働する業務可視化アプリに送信されます。アプリは業務画像とテキストプロンプトを Chat Completions API 形式のリクエストとしてまとめ、VPN 経由で大阪堺データセンター内の Gemini on GDC へ問い合わせを行なう仕組みです。リクエストは所定のアクセス制御および認証を経て、Gemini による画像解析が実行されます。解析結果はレスポンスとして PC 上のアプリへ返却され、分析結果が業務可視化アプリに表示されます。

移行にあたっては、Gemini on GDC の制約により従来の Gemini API 形式が利用できないため、Chat Completions API 形式へのインターフェース変更を実施しました。この設計により、接続先と API キーの設定変更のみで Gemini on GDC への切り替えが可能となり、将来的な AI モデルの変更にも追加の実装コストを抑えて対応できます。また、アプリケーション側に事前のバリデーション処理を追加し、必須項目の欠落などを API 送信前に検知する仕組みを導入。不要な API 呼び出しを削減し、API 利用コストの最適化にも寄与しています。

プロジェクトの開始当初は Gemini on GDC 自体が構築段階にあり、仕様に関する詳細情報が十分に提供されていない状況での検証となりましたが、技術検証を重ねながら閉域網での AI 解析基盤を構築しています。

本取り組みにより、機密データの保存・分析プロセスを国内データセンター内で完結させ、厳格なセキュリティポリシーに適合した構成を実現しました。セキュリティやデータ主権の要件によりパブリッククラウド上での生成 AI 利用が難しい場合でも、閉域網やプライベートクラウド環境での AI 活用は実現可能です。

KDDIアイレットでは、お客様の要件に合わせた生成 AI の導入・移行支援を提供しています。機密データを扱う環境での AI 活用を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

(システム構成図)
業務可視化 AI グラスシステムの構成図:PC上のアプリからVPN経由で国内データセンターのGemini on GDCへ接続する完全閉域のデータ処理フロー

(使用プロダクト)

  • ・Google Cloud
    • Gemini on Google Distributed Cloud(GDC)
    • Gemini

Credit

クライアントKDDI株式会社

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