Google Cloud 活用によるサーバーサイド構築からスマホアプリの UI デザイン・開発までをワンストップで実施

一般財団法人 日本海事協会

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デザイン / システム開発 / cloudpack

一般財団法人 日本海事協会

一般財団法人 日本海事協会様(以下、日本海事協会様)は、船舶に関するさまざまな事業の進歩発展を図り、人命および財産の安全、海洋環境の保全を期すことを目的として活動している国際船級協会です。

同協会の主な業務は、船舶の安全を確保するために制定した規則が、建造時と就航後の船舶に適用されていることを証明するために検査を実施することですが、さらに海事産業に携わる事業者をサポートする多様なソフトウェアの提供なども行なっています。

今回のご依頼は、船舶を管理する会社向けの船舶管理の改善支援ソフトウェア ”PrimeShip-PSC Intelligence” の利便性を向上させたいというものでした。

紙ベースのレポートをデジタル化

“PrimeShip-PSC Intelligence” は、船舶が入港した際に、港の所在国の政府機関によって行なわれる検査 ”Port State Control(以下 PSC)” で指摘された欠陥項目などの傾向を分析し、船舶の管理状況を改善するための情報を提供するソフトウェアです。この分析のために、PSC による検査レポート(以下 PSC レポート)のデータベースを構築しています。一方、元データとなる PSC レポートは紙ベースで船舶に渡されるため、乗組員や陸上スタッフが関連する写真などと合わせ、手作業でデータ化していました。このために恒常的な人的コストが発生しており、特に手書きの PSC レポートを読み取る作業に時間を要していました。また各国で異なる PSC レポートのフォーマットでデジタル化する必要があるため、作業効率にも課題を抱えていました。

日本海事協会様はこの課題を解決すべく、AI-OCR を活用した PSC レポートのデジタル化を検討されていました。そこで、アイレットが提案したのは Google Cloud Vision API を活用したスマートフォンアプリの開発です。手書きを含めた PSC レポートをスマートフォンのカメラで撮影後、Google Cloud Vision で OCR 処理し、テキストデータを検出することで作業の効率化を図ります。

OCR の実装に関しては、読み取る用紙のフォーマットをベースに、OCR 実行の範囲を決定して OCR 処理を実施する仕組みを構築。OCR 処理のフローはお客様と丁寧にすり合わせを行ない、Google社 とも協業して文字のセンテンスの区切り方を決めるなど、OCR の精度を高めるための実装方針を相談しながらプロジェクトを進めました。

電波圏外で使うことが多いスマホアプリ「だからこそ」の工夫も

今回のスマートフォンアプリは船上で使用することが多いため、ネットワークがつながらないオフライン環境でも動作できるように、バックグラウンドでの処理を前提としたアプリ構築を行なう必要がありました。そこで、アプリ起動時にサーバーのデータベースから全てのマスターデータと過去の PSC レポートや直近の PSC 指摘事項の情報をダウンロードし、オフライン時には端末内に保存しておいた情報を参照する仕組みです。オフライン時はデータをサーバーへ送信できないので、送信待機にしておき、ネットワークが繋がったタイミングで送信する設計にしました。その上で、アプリの稼働による電池消費を抑えるために、電波の有無を確認する頻度を下げるなどの工夫も施しています。

また、データのアクセスに関しては日本海事協会様の別システムの API を経由する必要がありました。Web API の設計原則に則った設計、セキュアな認証情報の取り扱いについてもアイレットから積極的に提案することで、システム全体の品質向上につなげることができました。

グローバルでの通信の要件もあり、Google Cloud 上で要件を満たすためのネットワークとシステムを構築しました。

ワンストップ受注だからこそクライアントのニーズに寄り添えたデザイン

アプリのデザインは、お客様の頭の中にあるイメージを明確な形にしてアウトプットすべく、Adobe XD を用いてワイヤーフレームを作成し、具体的なイメージの認識合わせを行ないました。その後も Overflow を活用した遷移図の確認、Sketch と Zeplin を使ったデザイン確認など、工程に合わせてツールを使い分けながら、お客様確認はもちろん、弊社内でも開発チームとデザインチーム間の連携など、よりご要望や理想とするデザインを実現するためのコミュニケーションを取っていきました。

国内外での利用が想定されていたのでシンプルさを重視した構成とし、スマートフォンのカメラで撮影した画像をスキャン、編集までの作業を快適に行なっていただくことを目標としながら、迷いの少ない UI を目指しました。ただ無機質になり過ぎないように起動時のスプラッシュアニメーションなど、こだわれる部分にはデザイン的な挑戦を盛り込みました。

今回はアプリ開発のみならず、サーバーサイド開発、インフラ構築、およびデザインに至るまでワンストップでアイレットにお任せいただけたからこそ、お客様のニーズに寄り添い、日本海事協会様の DX 推進に寄与できたと自負しております。

Google Cloud を活用したスマートフォンアプリ開発は、ぜひアイレットへお任せください。

システム構成図
一般財団法人 日本海事協会様システム構成図

(使用プロダクト)

  • ・Cloud CDN
  • ・LoadBalancer
  • ・ComputeEngine
  • ・Instance templates
  • ・CloudStorage
  • ・Memorystore
  • ・CloudSQL
  • ・CloudArmor
  • ・Vision API
  • ・Firebase

Credit

クライアント一般財団法人 日本海事協会

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