SaaS の枠を超える柔軟性を実現。多様な配信ニーズを支える、セキュアな大規模共通基盤を構築

株式会社バンダイナムコエンターテインメント

https://www.bandainamcoent.co.jp/

システム開発

株式会社バンダイナムコエンターテインメント

お客様の課題

  • 各プロジェクト・各サービスで個別に動画配信基盤を開発・構築していたため、部署ごとに費用と対応工数が発生し、全体としてのコスト効率が悪化していた。
  • 各サービスの異なる要件にも柔軟に対応できる共通の動画配信基盤が必要だった。
  • 巨大な IP コンテンツを扱う企業として、コンテンツ保護を目的とした安全性の高い設計が不可欠だった。
矢印

対応と結果

  • AWS Media Services を核としたフルマネージド・サーバーレスの共通配信基盤を構築し、プラットフォーム統一によるコスト削減と運用負荷の大幅軽減、ならびに動画品質の向上を実現。
  • AZ 障害やサービスメンテナンス中でも配信を継続できる冗長構成を実現。
  • マルチテナント基盤設計により、多様なサービス(Web ページ、スマホアプリ内動画再生など)で利用できる統一基盤を実現。
  • AWS 新機能の即時活用による「ライブ終了から1時間以内」の高速 VOD(ビデオ・オン・デマンド)配信の実現と、外部配信事業者向け専用管理ページを独自開発
  • DRM を含む多彩なコンテンツセキュリティを実装し、IP 保護を徹底。

株式会社バンダイナムコエンターテインメント様では、プロジェクトごとに個別構築されていた動画配信基盤を統一。以来、継続的な機能拡張と共に安定運用を続けています。

本プロジェクトにてアイレットは、自社動画配信サービス「streampack」を活用し、完全マネージド型による運用負荷の大幅な軽減と、大規模 IP ホルダー特有の要件に応える高度なカスタマイズ性を両立させた動画配信プラットフォーム構築を担当いたしました。

プロジェクトごとの個別構築による「コスト・品質のばらつき」を解消。

株式会社バンダイナムコエンターテインメント様(以下、バンダイナムコエンターテインメント様)は、多数の人気 IP コンテンツを有しており、プロモーション動画やライブ配信、イベント映像など、さまざまな動画コンテンツを継続的に配信しています。

しかし、それまでは各プロジェクトや各サービスでそれぞれ個別に動画配信基盤を開発・構築していたため、部署ごとに費用と対応工数が発生し、全体としてのコスト効率が悪化していました。また、個別構築のため、配信基盤のクオリティや機能がプロジェクトごとにばらつき、ノウハウの蓄積や共有も困難でした。

こうした背景から、バンダイナムコエンターテインメント様は、各サービスの異なる要件にも柔軟に対応できる共通の動画配信基盤の構築を決断。AWS と動画配信技術に精通したアイレットにご相談いただきました。

サーバーレスアーキテクチャで運用負荷を最小化。有料ライブ配信にも耐えうる「絶対に止まらない」高可用性を実現

アイレットは、バンダイナムコエンターテインメント様の複雑な要件に対応するため、AWS Elemental MediaLive、AWS Elemental MediaConvert、Amazon Interactive Video Service といった動画配信関連サービスを中心に、完全フルマネージド型のサーバーレス基盤を構築。システムの設計段階では、運用の簡略化を最優先に、サーバーレスアーキテクチャを採用しました。AZ(アベイラビリティゾーン)障害やサービスメンテナンス中でも配信を継続できるよう、Amazon S3 と Amazon CloudFront を組み合わせた冗長構成を実装。アプリケーション層に不具合が発生しても配信が途絶えない設計としました。

特に、有料ライブ配信においては「絶対に止まってはいけない」という極めて高い可用性が求められます。そこで当初1系統だったシステムを冗長化し、AZ 障害やメンテナンス時でも配信を継続できる仕組みを構築。視聴者へ常に安定した配信体験を提供することで、サービスの信頼性向上に貢献しています。

構築段階では、役割に応じた適切な権限管理とセキュリティ対策を徹底。動作確認時には十分な検証を行ない、パフォーマンスをリアルタイムで把握できる監視システムを導入しました。また、システム構成、設定手順、トラブルシューティング方法を文書化し、安定運用の基盤を整備しました。

「streampack」をベースに AWS 最新機能を即座に実装。高速 VOD 配信でファンの熱量を逃さない

アイレットが提供する「streampack」は、動画配信に必要な機能をパッケージ化した製品ですが、バンダイナムコエンターテインメント様のプロジェクトでは、その枠を大きく超えた高度なカスタマイズが施されています。

有料ライブ配信を実施する際、視聴できなかったファンから「ライブ終了後すぐに VOD(ビデオ・オン・デマンド)で見たい」という要望がありました。これに対しアイレットは、AWS Elemental MediaConvert の新機能(高速変換)が実装されたタイミングで即座に導入し、ライブ終了から1時間以内に VOD 配信を開始できる仕組みを構築しました。

【ライブ配信】
ライブ映像配信のフロー図。配信者から動画配信基盤、視聴者プレイヤーへの流れ
【VOD(ビデオ・オン・デマンド)配信】
VOD配信のフロー図。コンテンツ管理者から動画配信基盤、視聴者プレイヤーへの流れ

また、ライブ配信の現場では、外部の配信事業者が技術的なサポートを担当します。しかし、これらの担当者が動画配信基盤の管理コンソールに誤ってログインし、システムの重要な設定を変更してしまうリスクがありました。そこでアイレットは、操作権限を限定した配信事業者向けの専用ページを開発。必要最小限の機能のみを提供することで、誤操作を防止し、安全な運用を実現しました。

【ライブ配信】作成画面
ライブイベント作成画面のユーザーインターフェース
【ライブ配信】配信事業者向けページ (※画像はイメージです)
配信事業者向けのライブイベント管理・スケジュール確認画面のイメージ

SaaS では実現できない「柔軟性」と「効率性」を両立

動画配信基盤の最大の特徴の一つが、企業内マルチテナント的な基盤設計です。一つの企業の配信基盤でありながら、多様なサービス(Web ページ、スマホアプリ内動画再生など)で利用できるよう設計されています。

今回開発した動画配信基盤では、従来の SaaS 型プラットフォームでは実現が難しかった、サービスごとの異なる要件(配信形式、セキュリティレベル、カスタマイズ内容など)に対応できる柔軟性を確保しながら、統一基盤としてのコストメリットも享受できる設計を実現しています。

アイレットの動画配信基盤構築サービスは、完全マネージド型による運用負荷軽減と、顧客要件に応じた高度なカスタマイズ性を両立させることができます。SaaS 型プラットフォームでは実現できない柔軟性と、統一基盤による効率性を同時に実現したい場合に最適なソリューションです。もし、動画配信基盤の統合やコスト削減、セキュアな配信環境の構築といった課題を抱えていましたら、ぜひお気軽にアイレットへご相談ください。

(システム構成図)
AWSを活用した大規模動画配信基盤のシステム構成図およびLive-to-VODワークフロー図

(使用プロダクト)

  • ・AWS Elemental MediaLive
  • ・AWS Elemental MediaConvert
  • ・Amazon Interactive Video Service(Amazon IVS)
  • ・Amazon S3
  • ・Amazon CloudFront
  • ・Amazon RDS
  • ・Amazon ECS
  • ・AWS Lambda
  • ・Amazon API Gateway
  • ・Amazon SNS
  • ・Amazon SQS
  • ・Amazon EventBridge

Credit

クライアント株式会社バンダイナムコエンターテインメント