お客様の課題
- プロジェクトスタートからサービスインまで、迅速に開発を進める必要があった。
- 約10万ユーザーが同時に使用する可能性があるため、リアルタイム性と可用性の高いシステムを求めていた。
対応と結果
- アイレットがインフラ構築、アプリケーション開発、デザイン、監視・保守運用を担当。技術・ノウハウを生かしたプロジェクト進行でタイトなスケジュールに対応した。
KDDI株式会社様(以下、KDDI 様)は、2024年2月20日〜5月31日の期間限定で、友人・知人と共同編集できるコミュニケーション型おでかけ計画サービス「おでかけデザイン」を提供しています。本サービスのインフラ構築、アプリケーション開発、デザイン、監視・保守運用をアイレットが担当させていただきました。
新しいモビリティ体験を創出する、新規サービス開発を計画
KDDI 様はトヨタ自動車様と連携し、街、家、人、クルマの全てがつながる社会を見据えて、「通信技術およびコネクティッドカー技術の研究開発」「人々の生活を豊かにするサービスの開発」を共同で推進しています。また、近年のモビリティを取り巻く環境を踏まえ、「安全・安心なモビリティ社会の実現」「グリーンなモビリティ社会の実現」「モビリティ体験価値の拡張」をテーマに掲げ、社会実装に向けた取り組みを進めています。
「モビリティ体験価値の拡張」においては、移動中だけでなく移動前や移動後など車内と生活空間との連携によるシームレスなモビリティ体験や、お客様の利用シーンに合わせた最適な通信の提供が求められています。そのような背景のもと、両社はお客様が友人や知人と一緒におでかけの計画から移動までを楽しんでいただくための新規サービス開発を計画。アイレットにインフラ構築からアプリケーション開発、デザイン、監視・保守運用までをご依頼いただきました。
基本設計と同時進行でワイヤーフレーム作成/API 検証を実行。サーバーレス開発用のテンプレートを使用するなど、ノウハウを生かして開発期間を短縮
本プロジェクトはキックオフからリリースまでの期間が限られているため、いかに効率よくスピーディに開発を進められるかが重要なポイントでした。
そこで、プロジェクトの基本設計フェーズと同時進行でデザインのワイヤーフレームを作成し、こまめに3社でのミーティングを行なうことで迅速かつ確実に要件を固めていきました。また、PoC で使用したマップの API を変更する必要があり、API を検証するチームを作り、こちらも基本設計フェーズと同時進行で利用可能な API を探しました。なお、取得情報を充実させるために、他のサービスサイトから情報を補填することにし、サービス提供事業者様から許諾をいただき API 連携を実現しています。
本サービスは複数のユーザーが1つのデータを同時に変更する可能性があるため、リアルタイムに同時編集できる機能が求められていました。そこで、Amazon API Gateway の WebSocket API を利用することでリアルタイム性を担保しています。また、約10万人規模のユーザーが同時アクセスすることを想定していたため、それに耐えられるインフラ設計にする必要がありました。ユーザー数に応じて段階的にスケーラビリティを高める方法もありますが、今回は期間限定のサービスサイトのため、Aurora Serverless v2 の活用をご提案。これにより利用者が急増した場合もオートスケールされるため、運用負荷を下げることができます。
また、バックエンドアプリケーションの開発には、アイレットのアジャイル事業部で開発したサーバーレスアプリケーションのテンプレート「CCA(CREATE CAMPAIGN APP)テンプレート」を使用しています。バリデーションやデータベース接続がフレームワークによって共通化されているため、開発スピードが大幅に向上できる点が大きな活用メリットです。今回はバックエンドアプリケーション開発を当社第四開発事業部が担当していますが、このテンプレートを活用してスムーズに連携することで、他部署の開発メンバーが初見でもスピードと品質を担保できるようになり、結果的に約1〜2割の開発スピード向上につながっています。
今回リリースした「おでかけデザイン」は、友人・知人と共同編集できるコミュニケーション型おでかけ計画サービス。おでかけ候補を探す「スポット検索」や、おでかけ計画を一緒に立てる「共同プラン作成」、カーナビアプリ「moviLink」と連携可能な「ルート策定」などの機能を通じて、新しいモビリティ体験の創出を目指すものです。
これからもアイレットはお客様の課題解決と新たな価値創造を支援し、事業の拡大に貢献してまいります。
(使用プロダクト)
- AWS WAF
- Amazon CloudFront
- Amazon CloudFront Functions
- Amazon S3
- Amazon Route53
- AWS Certificate Manager (ACM)
- Amazon Aurora Serverless v2
- Amazon DynamoDB
- AWS IAM
- Amazon EC2
- Amazon VPC
- Amazon ECS
- Amazon EFS
- AWS Batch
- AWS CDK
Credit
クライアントKDDI株式会社