通話録音データのクラウド保存、テキスト化およびワード検索サービスをセキュアに確立。AWS と外部テキストエンジンのマルチクラウドによる音声 DX 推進プロジェクト

KDDI株式会社様（以下、KDDI様）は2023年1月31日より、法人のお客様向けに、au の音声通話の録音が可能な「au通話録音機能」と、通話録音データをクラウド上に保存しテキスト化、ワード検索を実現する「KDDI Voice Viewer」を提供しています。当サービス開発にあたり、「KDDI Voice Viewer」の Web システム構築、および通話録音データと文字起こしテキストを可視化する Web ポータル画面設計をアイレットが担当させていただきました。

昨今、テレワークの普及や Web 会議の浸透に伴い、録音機能の利用が一般化しています。また、音声通話においてもコンプライアンス対策やクレーム対応などの用途で、録音機能に対するニーズが高まっています。一方、通話録音データの保存先はオンプレミスのストレージサーバーが主流のため、導入までの時間や費用面における課題が生じていました。

そこで、KDDI様は au 携帯電話の音声通話を録音する「au通話録音機能」のサービス開発を計画。さらに、すでに提供している固定電話網とクラウド電話の通話録音機能を含めた、すべての音声サービスの通話録音データをクラウド保存し、テキスト化やワード検索を実現する新サービスの開発に着手することになりました。

本プロジェクトは KDDI様と KDDIアジャイル開発センター様、そしてアイレットの3社がワンチームとなって開発を推進。アイレットは開発パートナーとしてサービス設計からサポートさせていただき、システムの要件定義も積極的にご提案した上で、サービスの基盤となる Web システムの構築を進めていきました。

Web システムは AWS を活用して構築しました。主な機能として通話録音データの保管、通話録音データの文字起こしテキストの保管、通話録音データと文字起こしテキストを可視化する Web ポータル画面、Web ポータル画面のユーザー認証・管理機能などを開発しました。構成上の工夫としては、ファイルシステムを複数台活用した構成にしています。

通話録音データの文字起こし機能については、複数のサービスを事前に比較検討した上で、外部テキストエンジンサービスを採用することになりました。こちらの連携もアイレットが担当させていただき、通話録音データの送信や文字起こしテキストの受信、テキストの可視化までの仕組みを構築しました。設計にあたってはサービス提供会社のチームにもご協力いただき、セキュアな API 連携を確立しています。

これらの取り組みの結果、2023年1月31日に通話を録音する「au通話録音機能」と、通話録音データを可視化する「KDDI Voice Viewer」が無事にリリースされました。「KDDI Voice Viewer」は KDDI様が提供する音声サービスの通話録音データをクラウド上に保管するため、ストレージサーバや専用線の準備が不要になるため、短時間・低予算での導入が可能となります。さらに、通話録音データのテキスト化や特定の文字検索ができるため、通話内容の確認作業の効率化も見込めます。

今後もアイレットはお客様の DX 推進における課題解決と新たな価値創造を支援し、事業の拡大に貢献してまいります。

（使用プロダクト）

• Amazon EC2
• Amazon VPC
• Amazon CloudFront
• Amazon API Gateway
• AWS Lambda
• Amazon RDS
• Amazon S3
• ACM
• Amazon Cognito
• AWS WAF
• Amazon SQS
• Amazon SNS
• Amazon OpenSearch
• AWS Managed AD
• Amazon FSx
• AWS DataSync
• Amazon SES
• Amazon Route53